26日

京都の某ホテルで、無伴奏のお仕事でした。
最上階の開かれたガラス張りの窓から、京都の街を一望しながらの演奏はとても気持ちが良かったです。
お天気のいいお昼の時間、遠くの山まで見通せて、目が良くなる気がしました。

ヴァイオリン独奏、無伴奏は、何よりも好きな時間ではないかと最近思うようになりました。

正直なところ、昔は無伴奏が怖くて不安で、人とのアンサンブルの楽しみもないのが寂しくて、あまり好きになれませんでした。(実際バッハの無伴奏の暗譜が飛んだ苦い想い出もあり)

何故かしら年齢なのか、機会を頂くようになったからなのか、少しずつ好きになって来て、今や自分にとって大切な音楽の時間の一つとなっています。(と言いつつやっぱ人と演奏する方が楽しいけどね。うん。)

今日はある曲を弾きながら、ある人を思い出していました。人とのアンサンブルがない分、思いの巡り先も自由なのかも知れません。

これまでにお会いした方々の中で、本当に天才だと思える方は彼だけですが、その彼を思い出していました。
私が弾いた曲を一度聴いただけで憶えて弾いてしまったこと、譜面も見ずにただ憶えて弾いたことは、一生忘れない衝撃的な思い出です。
(私の演奏を聴いて憶えたが為に、弾き方も歌い方も私の癖そのままだったのがすごく可愛かった。テンポ感もほんとはもっと速いんだけど、私がこんな曲だよとゆっくりめに弾いてしまったが為に…。ごめんよ。)

会いたいなぁ。と遠くの空を見上げながら思いました。(いつかのツイッターでも呟いたけれど、私の大切な人達は皆海外に行ってしまわれるのです。)

以前お仕事でご一緒したお姉さんが
「歳をとることは怖いことをたくさん知ることだよ」と仰っていました。
その通りだと思います。

楽しいことやステキなことはたくさんあって、ご飯を毎日食べて寝られる毎に「幸せだー!!」と思えて生きているのですが(沸点低!)、悲しいことや怖いこと、辛いことの方がどうしても深く刺さってしまったり、不幸(もちろん自分の身に起こるそれ)の方が、何故か魅力的で目についてしまうという怖い人間の習性もあり、私のモットー「とにかく笑門来福。辛い時ほど笑ってりゃ幸せ。」に従えない時があります。(たまにだけどね。基本はおバカだから気付かず笑っている。鈍感で調子乗り、繊細に行動できない私に付き合ってくれる周りの方々に本当に感謝しかない。)

信仰心のある知人友人たちは、「不幸の魅力を断ち切るのは難しい。無信仰でよく頑張ってるよ。」と、よく言っていました。

そういう時、おそらく私は自分のヴァイオリンに救われているのではないか、と気付きました。
それを間近に真に感じるのが無伴奏です。
共演者との間に生まれる幸福感ではなく、自分の素のままの音から生み出される何かに救われているのかも知れません。
美容と似てるかもな…。(ハッ!一気に安っぽくなる!これはナシだな。ナシナシ!)

誰かの為に演奏できるのが一人前なのだとすると、これじゃあ私はまだまだです。
(以前、ソロライブをご覧くださってた音楽業界の先輩は、終了後「お客様から元気を頂きました」と言う私に、「元気を貰ってるようじゃまだまだ。あげられるようになってね。」と仰られましたが、その通り。私はお客様や共演者さんから常に貰ってばかりなのだ。)

信仰心を知りたくて、狂気を感じると言われるほどバッハを紐解いたり、宗教学の授業レポートでウザいほどメール質問した学生時代の私の思いは、未だに解明されない謎のまま。
でも少しだけ、神=イエス=ジーザスが、=楽器であり=音楽なのかも、と私的な物に置き換えられるようになってきた…のか?と思う最近の無伴奏の日々でした。
またきっと、歳を重ねる毎に感じ方が変わっていくんだろうなぁ。
変化が楽しみです。

というわけで、無伴奏でのお仕事大歓迎でございます。引き続きどうぞよろしくお願い致します。(ハッ!また営業になってしまうではないか!でも本心。無伴奏で弾かせておくれ。)

ps
[日本のうた]では無伴奏も入れようかなと思ったりしている。。。あ、思ってるだけかも知れないよ。

23日

錢屋カフヱーさんにて、ZENIYA LIVE 終了致しました。
皆様ありがとうございました。

三階席(ステージからは二階席っぽいけれど)からご覧頂けたりと、いつもとは違う新しいイメージの場所で、この場所を思って選曲したなんとなく大人な雰囲気のクールアン アコースティックトリオライブとなりました。

天井の高さと、素晴らしいアップライトピアノの響きに助けられ、出演者としてはアコースティックならではの楽器の響きに集中できるステキな時間となりました。

一般的にトランペットの持つ音量(実際音量と言い切れないんだけど言いだすときりが無いので音量ってことで)は、ヴァイオリンがいくら頑張ってもどうしても越えることができないものですが、それ以外にも音の飛び方の違いや、響き方の違い、音階の捉え方の違い、同じ旋律楽器でも全てが全く別物です。

綾子さんとのアンサンブルも三年以上になり、はじめこそお互い戸惑ったこの違いを楽しめるようになってきました。
今回初めてプログラムに組み込んだ曲は幾つかありましたが、特にオブリビオンではそれを深く感じました。

これからどんどん深くなっていくんじゃないかなと楽しみになる本番になりました。

MCの中にもそれは表れていて、お客様との対話も生まれ、自分の目線より上(三階席)にお客さまがいるおかげか、ステージと客席とが会話の中でも一体と感じられるステキな時間でした。
皆と一緒に楽しめることは、本当に私が一番嬉しいことで、綾子さんのいつも言う「皆さんの拍手が一番のご褒美」と同じだなぁと思ったりしていました。

ステキな時間を過ごさせて頂きました。
錢屋カフヱーの皆様、お客さま、やまけん先生、綾子さん、皆様に感謝です。

19日

クールアントリオで演奏でした。
Cool an Temporaryのトリオと言えばピアノ・トランペット・ヴァイオリンが多かったですが今回はフロントanと、パーカッションの学くんでした。
音響機材をフルセットで持ち込み、3人でもバッチリCool an Temporaryのサウンドでした。
(注:写真はお昼の図)

18日は朝からたいへんなことが起こりました。
阪神大震災を彷彿とさせる、とても似た揺れに感じました。
自分の中に幼い頃の怖かった思いがこんなに強く記憶されていたのかと思いました。
恐ろしくて堪らなくなりました。

私の家は幸い何事もなく、家族も全員無事でした。
もっと怖い思いや悲しい気持ち、実際の被害に遭われた方はたくさんいらっしゃいます。
北摂や枚方に住む私の友人達からも色んな状況を知りました。
皆様はご無事でしたか?
皆が元気でいてくれていますように。
見守り隊に出かけたおじいさんや、小さな子供。
災害によって失われる命や様々な事柄は、誰をも恨めないから余計に胸が締め付けられます。

必要以上に恐怖を煽ったり暗くなるのは好きではないので、私はいつも通り…より少し注意深く、いつも通り明るく過ごしています。

今週末のクールアンアコースティックトリオ、錢屋カフヱーさんは、いつもより大人な空間でいつも通り皆と幸せになれる時間を用意してお待ちしています。
元気にお会いできるのを楽しみにしております。
ps
この日、日本代表の試合…は実は見ておらず(リハーサルしてたんだもの)ですが日本代表の素晴らしいニュースは気持ちが明るくなりとても嬉しくて、その後のポーランド・セネガル戦を観ました。(え?笑)(この私が夜更かし)
サッカーのルールすら危うい私が最後の最後まで観続けたのは初めてです。(何故に初めてがポーランド・セネガル。)
サッカーを好きになりました。

17日

梅雨の晴れ間がこんなに嬉しいなんて、こんな風に感じられるなら雨もありなのかもと思うこの頃です。
シリーズでそれぞれの日に皆様にお配りするコースター、第一弾が届きました。(何故か眉間にシワ。何故。別途嬉しくて舞う図はツイッターで。)

毎回違う内容のコンサートということで、もちろんコースターも毎回違うものですが、4つ集まると楽しい仕掛けがございます。

先日の京都でのお仕事で、嬉しいことがありました。
数人の子供達が突然演奏するの私の前に集まったのです。そこでジッと演奏を聴いて。コンサートが終わるまで結局その場で聴いてくれておりました。(割とクラシックなコンサートだったのに!)

ラウンジレストランの店員さんが親切で、そこでお食事をするわけではない、通りかかって来てくれた子供達をそのまま席に座らせていてくださったこともとても嬉しいことでした。

日本は欧米とは違い、まだまだ生活や街に音楽や芸術が存在することが当たり前ではないのが現実だと日々感じています。
そんな中で、ここでは通りかかった方々が、大人も子供も自然に立ち止まって音楽を楽しんでくれます。
大人の方はマナーを守り、きちんとレストランにも敬意を払ってお食事をし、騒がずただ音楽を聴きたいと思ってくれる子供にはその環境を与えてくれるレストランのサービスがある。
とってもステキなことだなと思いました。

ここが観光など海外の方も多い京都だから…ではないはず。
少しずつ、芸術を日常的に楽しみ、日常的に真摯なマナーを思いやる先進国になってきているのかもしれません。

我ながら、真面目な日記。

5日

エルクリマカルテットでした。
最近よく行動を共にするエルクリマカルテットですが、この日は企業パーティでの演奏御用命賜り出向いておりました。

チェリスト川勝美歌氏のリーダーの下、パフォーマンスも含めた豪華なステージでした。ありがとうございました。

カルテットでのこういったシーンへの演奏御依頼頂くことも増えてきました。BGMとしてだけでなく、ステージとしての位置付けで楽しんで頂けるよう、真面目にふざけることができるのがエルクリマメンバーでいて楽しいところです。

何処へでもでかけます。エルクリマカルテットを今後ともよろしくお願い致します。(ハッ∑(゚Д゚)営業だったのか…!)

4日

いつのまにか6月です。
またこの書き出しか、と。

先日奈良では、ワライナキさんのサポートをさせて頂いた時にたいへんお世話になった方のところでいちご狩りを体験させて頂きました。
キーボードのしんさんも一緒に。
美味しいお食事も頂き大満足。

この日は京都でお仕事があったため、古都から古都への大移動となりました。(好きだわ古都)